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子どもは遊びの主人公

子ども達とどう遊んでいいのかわからないんです。

と後輩に言われたことがあります。
その後輩によれば、子ども達から遊ぼうと誘われたら鬼ごっこなどはできる。でも粘土やお絵かきをすると設定したとき、自分がどう動いていいのかわからなくなる。とのことでした。

朝の合同保育の時間などは座って遊べるおもちゃを出したり、設定したりすることがほとんどです。
雨の日や雪の日といった外に出られない日、行事後の描画をした後はそのまま好きな絵を描く時間にしたり、粘土やブロックを出したりすることも多いです。

子ども達の年齢が高ければ高いほど、自分たちで世界を作って遊べるので、大人はどう関わっていいのかわからない、となることがあるようです。

そのままでいいんじゃない?

大切なのは子どもの作った世界を一緒に楽しむこと

どう関わる?

よくお絵かきでも粘土でも、子どもより先に描いちゃったり作っちゃったりする先生がいますが、そうなると大抵子ども達は
「先生、次はこれ描いて(作って)」
と、なります。

これでは子ども達の何を育ててあげたいのかわかりません
ペンやクレヨンの使い方、粘土の使い方、お約束を伝えることは勿論大切ですが、いざ始めた時に大人が先に物を作ったり描いたりしてしまうと、子どもの想像力がそれ以上働かなくなってしまう場面をよく見てきました。

「好きなように描いていいよ」
と言われて困ってしまう子も中にはいますが、そういう子には「好きな食べ物」や「好きな動物」など、テーマを一緒に考えるくらいで、後はその子の想像力に任せていいと思います。
私たちが手を加えてしまうと、その子の作品ではなくなってしまいます

粘土も同様。「子どもの作品を作る」ということをねらいにしているなら、手を貸してあげるのはおすすめできません。
年齢にもよりますが、粘土を上手く丸められないなら、丸めてあげるのではなく、丸め方を見せて伝えてあげられればいいと思います。
そうすれば多少不格好な丸いパーツでも、子ども達は「自分でできた」という満足感を味わうことができますよね。

ではもし、ねらいが「作った物で楽しく遊ぶ」だったら。
その時は先生も自分で車や飛行機を作って一緒に遊ぶのもいいと思います。
ただ、ここでクオリティを求めて大作を作ってしまうと「先生、作って」になっていくことも多いので、私は子ども達が作れそうなくらいの物を一緒に作るようにしています。

年少さんくらいまでの子ども達と「車」を作るのであれば、なんとなく長方形っぽい形のものを作って見立てる。
年長さんくらいになると、子ども達も自分で考えて作れるので、それを見ながら似た感じで作っていく。という具合です。そうすることで、子ども達の成長に気づけたり、想像力の広がりに驚かされたり、嬉しくなったりすることも多いです。
勿論、子ども同士で遊びが発展していくのであれば、見守ります

私の体験

これは私の実践ではないですが、私が保育園の年長の時の経験です。
①絵を描くことが上手なA先生
自由遊びの時間に私達が絵を描いていると、A先生も別の紙に絵を描き始めました。
今で言うと少女漫画みたいな、ちょっと大人っぽくてカワイイ絵を描いてくれる先生でした。
当時、そういう絵を描いてくれる先生は誰もいなかったので、私も含め、クラスの女の子達はみんなその先生に絵を描いてもらいたくて、列を作っていました。
描いてもらうと嬉しくて、お互いに見せ合ったり、色を塗ったりしました。

②粘土から生まれた「あかちゃんまん」
朝、夕方の自由遊びの時間に粘土を出して良いことになっていました。
その時その部屋についていてくれたK先生は絵を描くことや粘土で遊ぶことが上手な先生でした。
その日、粘土で人形を作って先生や友達とおままごとのような遊びをしていたのですが、そこからどんどん友達や先生とのやりとりが広がっていき、「あかちゃんまん」というキャラクターが生まれました。
「あかちゃんまんは強いんだよ!」
「悪い魔女がいて、倒しにいく。」
「あかちゃん一人じゃ危ないから、仲間が必要だよね。」
等と話していくうちにどんどん世界が広がって、「あかちゃんマンのぼうけん」というオリジナルストーリーが出来上がりました。
K先生が上手く私たちの話をまとめてくれ、イラストも描いてくれて、卒園式には「あかちゃんまんのぼうけん」の絵本が出来上がりました。
すごく嬉しかったことを覚えています。
もちろん、「あかちゃんまんのぼうけん」は1日で出来上がったものではありません。
数ヶ月かけて、5話のお話を考えました。

どちらが正しいとか優れているという話ではありません。
A先生に絵を描いてもらうことはとても嬉しかったし、色を塗るのも楽しかったです。
ただ、子どもの想像力や、遊びの発展・・・と考えた時、K先生の実践って、本当に私たちの意見や想像したことを、ちゃんと引き出してくれて、私達を遊びの主人公にしてくれていたなということは、強く感じます。
そして、子どもの心にずっと残っている!
だって私が卒園した時のこと、こうやってちゃんと覚えているからね!

私もそんな先生になりたい!と思い続けて子ども達と向き合う日々です。

遊びの主人公は子ども達!
保育士はそのサポート役です。

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