保育士って、ものすごくハイスペックなことを求められますよね。
人一人の成長を見守り、促し、家庭との連携をとり、家庭の方針と園の方針とで板挟みにあったり、自分の保育感との差に葛藤が生じたり、年間行事が途切れることなく入ってきたり・・。
メンタルの強さと体力がものすごく必要な職業だと思います。
しかも一年目は子育て経験はないし、子どもとの関わり方わからない中で必死だし・・・。
なかなか子ども達が言うことを聞いてくれないことも少なくないと思います。
現場の先生達を見ていても思うのですが、子どもがふざけたり落ち着かなくなった時、怒る先生が多い気がします。
「叱る」ではなく「怒る」先生。
要は感情的になってしまう先生です。
今回は自分の保育も反省しながら書いていこうと思います。
怒る先生
テーブルに6人座って給食を食べています。
給食を早く食べ終えた子が、隣の子とふざけ始めたり、立ち歩きそうになったりしています。
他の子はまだ食べている子も多い状況です。
こんな時最初は「まだお友達が食べているから座って待っててね。」
と声をかけていますが、相手は2歳。
一回の言葉がけで「座って待っててね」ができる子はまずいないと思います。
何度も何度も同じように声をかけていくうちに、先生もヒートアップしてしまう。と言う場面があります。
自分ならどんな対応をするでしょうか。
感情に任せて怒っていませんか。
冷静なつもりでも、イライラしてしまうこともあります。
正直、私も同じ事を何度も同じ子どもに言い続けてイライラしないのは無理だと思います。
でも当たり前ですが、子どもにイライラをぶつけてはいけないことも知っています。
一度感情的になりそうになったら、深呼吸をしましょう。
そして、「どうして立ち歩くのか」「やってはいけないレベルのおふざけ」なのかを考えましょう。
「どうしてふざけてはいけないのか」をしっかり伝えているかを一度思い出しましょう。
それと同時に、自分の関わりも含めて「この環境は待てる環境なのか」と言うことをもう一度考えましょう。
今回の例は2歳児なので、待つ時間が長ければ長いほど「待てる環境」なんて存在しないと思います。
「給食を20分かからずに食べる子が30分以上かかる子を座って待つ。」
なかなかの苦行だと思いませんか。
大人だって10分待つ時間があればスマホ触るでしょ。
2歳の子が大人しく10分待てたら逆にちょっと心配になります。
友達同士で楽しくおしゃべりしているくらいなら良いですよね。
あまりにも落ち着かなくなるのであれば、先にごちそうさまをしてはいけないでしょうか。
職員が確実に先に食べ終わっている、または一テーブルに一人付けるのであれば、テーブルごとにごちそうさまをして、その後の着替えや排泄に行っても良いのでは無いでしょうか。
自分が実践している以外の方法は沢山あります。
いろんな方法を試してみましょう。
叱るのはそれからです。
怒るのは論外です。
もちろん「待つ」事も徐々にできるようになってほしいという思いもあるので、全く待たせるなと言っているわけではありません。
「今見ている子ども達がどれくらいなら待てるか」を知る事も大切です。そこから少しずつ時間を伸ばしていく、できた事を褒めていく。そうそういった関わりの中で子ども達は自信を持って、成長していけるのだと思います。
言葉が圧倒的に足りない。
叱るという点で、やりがちだなということが「言葉が足りない」ということ。
年齢が小さければ小さいほど、「言葉の意味を知らない」ということは何となく想像できると思います。
「知らない」ということは「想像も付かない」ということです。
二歳児クラスでブロックを出しました。
A君は自分で作った車を走らせているつもりで、ブロックの広がっているところを歩きました。
それを見た一年目の先生が「A君、危ないよ。座って!」と声をかけました。
A君は一度座りましたが、またしばらくすると歩き出し、その先生は再度同じ言葉で、少し厳しい口調で注意しました。
結果は先ほどと同様。
三回目、その先生は一度A君を同じ部屋の隅に連れて行き、「A君、歩いたら危ないの!座って遊べないなら、ブロック貸してあげられない!!」と怒りました。
A君は泣いてしまいました。
何が気になるかわかりましたか?
環境構成や、その他諸々気になるところはありますが、今回は言葉がけの流れだけに注目して考えます。
私はその先生が「危ない」としか言わなかった事がとても気になりました。
「何がどう危ないのか」を伝えていなかったのです。
- 「ブロックを持って歩いたら、他のお友達にぶつかっちゃうから危ないよ。」
- 「ぶつかってしまったら、お友達もA君も怪我するし、せっかく作ったものが壊れちゃうかもしれないから、危ないよ。」
- 「ブロックが広がっているところを歩くと、A君がブロック踏んで足を怪我しちゃうかもしれないから危ないよ。」
私達はちょっと考えただけで「危ないよ」の言葉の中に沢山の意味が込められていることが分かると思います。
でも、二歳児が「危ないよ」の言葉にこれだけの意味が込められている事を想像したり理解したりできるでしょうか。
無理です。
-
- 「なんか危ないって言われた。」
- 「車を走らせていただけなのに先生に怒られた。」
- 「ブロック貸して貰えない。」
これしか子どもの中に残りません。
大人の意図している事が一ミリも伝わってません。
一回言ってできるとは思いません。毎日の繰り返しです。
でも、繰り返していく中で自然に子どもの中に「なぜ危ないのか」が理解はできます。
理解できても行動が伴うかは、また別の話ですが、それでも理解はできるのです。
言葉足らずに怒られ続けた子は、怒られる回数も多くなり「怒られる時間」から逃げようとします。
そして、慣れます。
だから「怒られる!」と思ったら急に目を逸らして返事をしなくなったり、「〜していいの?」の問いかけに「ダメ」とは答えるけれど、「何故ダメなのか」は答えられなかったりします。
早く終わらせて遊びたいのです。
そりゃそうだ!
そうしてる内に本当に大切な事を伝えたいときに、その子の心に響きづらくなってしまうのです。
自分が「子どもが叱られざるを得ない環境を作っていないか」「どんな関わり方や言葉がけが適切か」考えよう!
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